バイオレンスツアー 44 乳房の下を噛んで

前回はこちらへ 礼子は這ってミシェルのところへ行く。強烈な臭いがした。薬品のような刺激臭。それはケモノたちの臭いだ。 すべてを思い出した礼子だったが、同時に、股間がじわっと熱くなっていた。「わかるわ。あのケモノたちとのセックスは、私たちをダメにするわね。やられているときはよくわからなかったけど、これほど余韻が長く残ってしまうから、1日に何回もやられたら廃人になってしまうでしょうね」 千代絵はもうなっているのではないか。「左の乳房の下を噛んで」 礼子はミシェルが同じことを3回言うまで、まったく理解できなかった。「噛む?」「そう。乳房の下の肋骨のあたりよ。歯に固いものが当たるはずだから、まずぐっと押して。浮き上がったら、そこを食いちぎって欲しいの」「えっ!」「大丈夫よ、それぐらいなら死なないから」「わかった」 礼子は唇をミシェルの大きな乳房の下側あたりに這わせていった。「そのあたりよ」 唇に軽く違和感があった。骨のようにしか思えない。確かめるために強く吸ったり、マウスピースを当てたりしてみた。小指ほどの大きさの異物がそこにあった。肋骨のようで、少しズレている。 顎でそこをぐいっと体重をかけて押す。「うううう」 痛いのだろう。ミシェルが身もだえるが「続けて」と囁く。 さらに押し込むと、明らかに乳房の下に向って先端が起き上がったのがわかった。「それをがぶっと噛んで」 歯をすべて抜かれている。マウスピースはソフトすぎて、いくら噛んでもしっかりと噛めない。「歯を抜かれるなんて思わなかったから」とミシェル。「こんなときのために、武器を仕込んであったんだけど……」 礼子は何度やっても、肉を噛み切ることなどできなかった。つるっとすべってしまう。「中に埋め込んだものは金属じゃないけど、とても丈夫なもの。だから、今度はタテに噛んでみて。中から乳房を破って飛び出すように、強く押してみて」 ミシェルは自分の体がどうなってもいいと思っているようだった。「ふふふ。いまならケモノの余韻があるから、あまり痛くないわ。むしろ気持ちいいの。あの注射のせいもあるんじゃないかしら」 ケモノたちにやられる前に、ボルトンに注射を打たれる。だが、それはとても小さな注射器で中に入っている薬物もほんのわずかだ。それほど長く効くのだろうか。「やってみます」 礼子はミシェルの乳房の下側に、顔を寄せた。下顎で異物の端を捉える。そして柔らかなマウスピースで反対側の肉の部分を押し下げるように噛む。もどかしい。うまく力が入らない。「うううう」とミシェルがうめく。「大丈夫、続けて。動いているのがわかる。このまま続けて」 礼子は自分の口蓋の上側に、ミシェルの中に埋め込まれた物質の鋭い先端を感じ、それを確認しながら、砂の山に立てた棒を倒すように、棒の近くの肉を噛んでいった。「くうう、感じる……」 短くミシェルが声をあげたとき、礼子の中に血が流れ込んだ。破れたのだ。 鼻と唇でその存在を確認する。小指ぐらいの大きさの物体。先は尖っている。「はあ、はあ、すごく痛痒くて気持ちいいわ。それって肉を破って取り出すために、先を鋭くしてあるの」 なぜか悲しくなった礼子は、泣きながらミシェルの乳房にマウスピースを押し当て続けた。ほどなく、マウスピースに刺さるぐらい先端が出た。歯と違ってしっかり噛むことはできないが、柔かな素材であるマウスピースにしっかりと突き刺していく。 それは礼子にとっては歯ぐきをえぐるような痛みだった。「出てきたわ」 物体の半分ぐらいが乳房の下から突き出た。血が流れている。「ああ、すごいわ。感じちゃう。気持ちいい。ねえ、礼子、向こうを向いて。あとは指でやって」 後ろを向いた礼子が、拘束された手で乳房をまさぐり、やがて鋭く飛び出した物体を探し当てる。 しっかりと指先で掴み、引き抜いていく。「ぐああああ。最高……」 悲鳴を押し殺しながらミシェルは耐えている。その痛みと快楽によるものだろうか。小刻みな震えと冷たい汗を礼子は感じていた。 口で確認したときは、ほんの小さな物体に思えたが、指でつまんで引き抜くのは簡単ではなかった。 ミシェルは礼子を安心させるために感じているフリをしているのか、それとも本当にエクスタシーを得ているのか。体を反らせ、引き抜きやすいように協力していた。「あっ」 彼女の温もりのある物体が礼子の手の中にあった。「はあ、ありがとう、ありがとう……。すごかったわ」 ミシェルの体は、性的な快楽に溺れているらしく、ガクガクと痙攣していた。股間はぐっしょり濡れていた。「恥ずかしすぎる体になっちゃったわね、お互い」 礼子は、血の滴るミシェルの乳房の下側を舐め、啜りながら、指先でその物体を確認した。先端は鋭く尖り、そこからボールペンのような筒がある。4センチほどのものだ。「私の口にそれをくわせさせて。尖った方を上に」 ミシェルはなんとか声を出す。 礼子は背を向けて、ミシェルの上にお尻をのせるような感じで、後ろ手に持ったそのものを咥えさせようとする。 ミシェルはそれを咥えた。「礼子、そのままじっとしていて」 咥えながらのミシェルの言葉を理解するのは難しかったが、何度かゆっくりと言われて、ようやく礼子は「じっとしていればいい?」と返事した。「そうよ。そのまま」 ジーンと小さな音がしたような気がした。それは礼子の手枷から起きていた。「うそ」 礼子は日本語で思わず声をあげた。締め付けていた枷が緩んだ。「思いきり引き剥がしてみて」 礼子は、ガチャガチャと音を立てて、枷を捻った。 いつの間にか手枷は外れていた。 急いで手枷を右手から抜くと、ミシェルを振り返った。笑顔があった。「次はミシェルよ。どうやればいいの?」 自由になった手でその小さな器具を受け取り、首と壁をつなぐ金具に向かう。「胴体のところを強く押すだけ。それで動くわ」 原理はわからない。化学物質だろうか。手枷の接合部を破壊する。 緩んできたら、礼子が手でガチャガチャと強くゆさぶるだけで枷は外れた。「すごいわね」「いいでしょ。これは私の知恵。こういうことをしていると、いつか、自分に最悪のときが来る。そのとき、もし生き延びたいと思ったらこれを使おうって。そのために用意したの。レントゲンにも映らない。金属探知機にも反応しない。通常、触っても肋骨だと思うわけ」 礼子はミシェルの手枷を外し、道具を彼女に返した。 ミシェルは自分で自由になり、最後に礼子の足枷も外してくれた。「あとどれぐらい使えるかな」と言いながら、鉄格子のカギ穴にそれを押し込む。ジーッと音を立てて小さな器具が稼動している。「金属を脆くしてくれるの」 ミシェルは、自分の手足を広げて拘束するために使われいた鉄の棒を手にして、それを鉄格子と壁にテコのようにねじ込み、体重をかけて、何度かガチガチと鉄格子を揺さぶった。 突然それは開いた。「やった……」 ミシェルは礼子に床に敷いていた粗末な毛布をかけてやる。彼女もボロ布をショールのようにまとう。 いまや、自分たちを拘束していた鉄の枷は武器となる。ミシェルは先に枷がついた鉄棒を器用に振り回す。「使えるわね」 廊下に出ると、ここがどこかもわからない。 ただ、臭いがしている。「ここ、あそこに近いですよね」 ケモノたちのいる谷に連れて行かれるときの地下通路だ。★小説『堕ちる』特別編★DMM.R18版はこちらへDLSite版はこちらへKindle版はこちらへOLが自虐の果てに見たものとは? ブログ連載を加筆修正の上、未公開の原稿を追加しました。主人公は壮絶な自虐癖から拷問ののちに人間ですらなくなっていく……。★小説『堕ちる』Part2 シークレット・バージョン★DMM.R18版はこちらへDLSite版はこちらへOLが拷問地獄に堕ちる『堕ちる』の別バージョン(「小説『堕ちる』特別編」の続編ではありません)。初出時にあまりの描写に小説掲示板から削除されてしまった部分などを復活。お読みになる前に「体験版」などにある「ご注意」をご確認ください。今日のSMシーンアパート暮らしの大便塗り喰いゲロまんずり女
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