小説 官能アドレセンス 16 お姉様の前で、恥ずかしいことをして

前回はこちらへ 紀里夫が不完全燃焼で落ち込んだままなら心配するが、数日後には普通にまたセックスして最後まで彼は行き着いて、私もそれなりに楽しかった。彼のものが入ってくると、私は全身で女であることを意識して、男を感じる。激しい動きは少なく、ゆったりした動きをしてくれる彼は、私にとっては理想的だった。 もっと若い頃に出会った男たちは、とにかく顔を見たらやりたいと言い、やればやったで、いかに早く済ませるかを競うように激しく一方的で、そのくせ暇だと何回もやろうとする。 私にとっては回数は楽しさにつながらない。かつての男たちはスケッチか落書きのように、とにかく「はい、ドラえもん」「はい、ルフィ」というように、ササッとそれらしく描いて終わりにしてしまう。「はい、セックス一回達成!」みたいに。 私は水彩画か油絵のように、背景まで色をつけて、結果的にそれほどいい絵ではないにせよ、キャンバスいっぱいに、たくさんの絵の具を塗っていきたい。 正直、なんの絵だかわからなくてもいい。色彩的にきれいで、たっぷりと塗られていたら満足だ。回数なんてどうでもよく、どこで終わりかもよくわからない。 毎回、似たような絵ばかり描いているのかもしれないが、それこそが私にとってのセックスだった。「今日も、きれいに塗れました」みたいに。 こんなことを紀里夫と話したこともなかったが、そもそも誰かと話すようなことでもない。 もしかすると、男性の性器を筆に喩えて妄想しているのかもしれないが、そんな複雑な心理まで、いままで気にしたことも考えたこともなかった。 亜希江のせいで、おかしくなりそうだ。 いや、自分はなにも変わっていない。「すんだの?」 冷たい声が自分から出て、ちょっとびっくりした。「お、お姉様の前で、恥ずかしいことをして、ごめんなさい」 今日はずっと亜希江は声が小さい。「お願いがあるんです」 聞く必要なし。冷たく突き放すべき。もう帰れと告げるべき。何時だと思ってるのと怒るべき。「お姉様に、いけない私を見守ってほしいんです。そして厳しく叱ってほしいんです」 前にも同じようなことを彼女は言っていた。 少しずつ状況を変えようとし、こちらの思うより先に、彼女は恥ずかしい行為を仕掛けてくる。「ごめんね。私、なんにも感じないの。あなたがなにをしても」「いいんです」 かぶせるように早口で言う。小声ではあるが強い。「大空さんにすべてを見てほしい。私が恥ずかしくてどうしようもない変態だって知ってほしいんです」 DVDを発売すれば誰もが知ることになる。 いや、そうではない。 DVDの中にいる亜希江は、演技をしている女優だ。上手下手は別として。 いまここにいるのは女優ではない、と言いたいのかもしれない。「私が知ってどうするの?」「大空さんが、私のことを知っていると思うだけで、私、幸せなんです」 幸せ──。 思いがけない言葉に私は混乱し、たじろいだ。 幸せなんて言葉をどうしてここで? 彼女の幸せってなに? 私にわかるはずもないし、彼女の幸せは私とは結びつかないはず。 それなのに。 笑い飛ばせない自分がいた。 この子、本気なんだとはじめて気づいた。そもそも本気でなければ、エントランスで裸になったりはしないだろうし、縄をまとった全裸の姿でここまで来ることもなかっただろう。 なんとかして、彼女は私に本気であることを伝えようとしているのではないだろうか。 それは、クレオパトラが自らの肉体を絨毯にくるませて贈り物として、カエサルに届けさせたような行為だろうか。 なぜ私に。 疑問は困惑に変わり、困惑を解く役目は彼女ではなく、私にあるような気もした。 そのためには彼女を理解しなければならない。 なら、困惑のまま放置しておいた方がよくないだろうか。カエサルがもし、絨毯をそのまま物置に放り込んでいたら、どうしたのだろう。そのときは寝静まったカエサルのもとに忍び込み、首を掻ききったかもしれない。 扱い次第で敵にも味方にもする。 もし亜希江にそんな発想があったとしたら、これ以上、彼女を拒絶すれば私を敵視するだろう。 バカなことばかりする亜希江には、不思議と嫌悪はあまりなく(ぜんぜんないわけではない)、好奇心もそれほど強く働かない。興味の対象とは少し違うのだ。彼女に備わっている性が私と同じだからだろうか。 彼女が男の子だったら、私はまったく違う反応をしていたかもしれない。いや、していたに違いない。 芳清だったら……。紀里夫だったら……。 この部屋にいるのは、X染色体だけ。 洗面所で陶酔していた亜希江は、私の足元にやってきて、ゴロンと仰向けになり、両手で足をつかんでお尻を引き上げた。「見てください。これが、波野亜希江です。恥ずかしくて、いやらしくて、どうしようもなく下等な生き物」 赤い縄がお尻の割れ目から深く性器までをえぐっている。ピンクのコードがよじれている。音はまだしている。 縄の結び目が、彼女の愛液を吸って黒っぽく変色している。 彼女をこれほど異常な性衝動に向かわせているのは、その肌のせいかもしれない。擦れて年相応に色素が沈殿しているはずの足の付け根などさえも、くすみがほとんどなく、妙に美しい。 縄で擦れて赤くなっている部分。 肌は白すぎるほどで、そんなに擦っては痛んでしまう。 臀部も艶々として、あまりにもつるつるしているので、なんとかあら探しをしたくなる。おできが2つほどある。引っ掻いたあとだろうか。薄いほくろもいくつか見つけた。 それでいて、欠点には見えない。 陰部は、きれいに毛を処理してあり、上の部分だけ薄く小さい逆三角の陰毛が残されている。いかにも手入れしていますよ、エッチが目的で整えてますよ、という印象を受ける。 縄を食い込ませて左右にはさみ込むように若い肉が盛り上がっている。 結び目の一つが、敏感な陰核の上に完全に当たっているのは、わざとなのだろう。 もしこのまま歩いてきたとしたら、彼女は中に入れた器具を動かすまでもなく、ずっとおかしな気分のままだったに違いない。 美しすぎる肌、かわいらしい顔、生殖器までも美しいから、彼女はおかしくなってしまったのではないか。 私に会いたい、見せたい、だからこんな姿になって、這ってでも恥ずかしい自分を届けたくなって、衝動のままに……。 ロマンチックな話ではなく、亜希江自身の持つ深すぎる欲望を、そのまま実際にやってみただけなのだろう。 こんなことをすれば、正常な、取り澄ました日常には戻れなくなってしまう。それとも、そうなりたいのか。 一時的な憑依のようなもので、すぐにケロッと常識的な女に戻れるのだろうか。演技でした、と。 だとしても、いますぐ、彼女が「ああ、疲れた」とサバサバとした感じで立ち上がってコートを着て「そんじゃ、また」と帰っていくのだけは、やめてほしい。 それではこっちがおかしくなってしまう。 世の中にそんな人がいるのだと思うほうが怖い。★美魔女狩り 浅木郁子編★DMM.R18版はこちらへDLSite版はこちらへアマゾンkindle版はこちらへ藤木たち「美魔女狩りチーム」初登場作品。 銀行支店長として活躍していた美魔女・郁子は、脱出不可能の罠にはめられる。肛虐を主体とした責め苦の中で壮絶なアクメを繰り返すうちに、すべてを失い尻穴女郎・イク子へと調教され、部下や取引先から暴虐の限りを受ける。★家畜妻の歌★DMM.R18版はこちらへDLSite版はこちらへアマゾンkindle版はこちらへ新婚の若妻が夫と取り交わした家畜妻契約。古びたアパートの一室で7人の飼育員によって日々、調教されマゾの悦びにどっぷりと漬かっていく。調教を受ける若妻の視点で描く。今日のSMシーン禁断の快楽に溺れる 麻縄緊縛美女達 4時間BEST
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